
大阪名物「マドラスカレー」を初めて食べたときの衝撃は、今でも忘れられません。一般的な日本のカレーとも、スパイスの効いたインドカレーとも異なる、まさに唯一無二の味わい。まず口に入れた瞬間、ほんのりと甘さが広がり、次に深みのある辛さがじわじわと追いかけてきます。決して刺すような辛さではなく、スパイスのバランスが非常に緻密で、辛味・旨味・甘味が一体となって舌を包み込みます。
特筆すべきは、その「とろみ」と「コク」。ルーはサラサラでもドロドロでもなく、絶妙な粘度。ご飯にしっかり絡みつきながらも、重たく感じない。しかも一口ごとに風味が変化していくような複雑さがあり、スプーンが止まりません。ベースには牛肉や玉ねぎを長時間煮込んだような深い旨味があり、化学調味料に頼らず自然な素材の味で勝負しているのがわかります。
店内の雰囲気も昭和レトロで落ち着いており、カウンター越しに店主が静かにカレーを盛り付ける姿に、職人のこだわりを感じます。派手な演出や流行に乗った装飾はなく、純粋に「カレーで勝負する」という覚悟がにじみ出ています。
大阪の街を歩き回って小腹が空いたときにふらりと入った店でしたが、結果的に「大阪に来たら必ず食べたい味」にランクインしました。シンプルだけど奥深い、飽きの来ないカレー。それがマドラスカレーです。一度食べたらきっとあなたも、その中毒性の虜になるはずです。
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